空撮ビギナー向け ~マニュアル露出がバチっと決まる2つの方法~

いざ撮影を行おうとしたとき、露出を合わせるのに時間がかかってしまうのはもったいないです。

当ブログでも、動画の際は基本的にマニュアル露出での撮影をお勧めしておりますが、その理由はコチラの記事でもご紹介した通り、撮影中にカメラが勝手に映像の明るさ(つまり露出)を変えてしまうのを防ぐためです。

しかしながら慣れないうちはマニュアルで露出を合わせるのに時間がかかってしまう方もいるのではないでしょうか。
当記事では、簡単に露出を当てる事が出来る方法を2つ、ご紹介致します。

1.AEロックを使用する
これはそもそもマニュアル露出を使用しない方法になります。

DJIGO4の画面右上にあるAEと書いてある鍵マークの部分をタップすると、AEロックがかかります。(鍵マークが、鍵を閉めたシルエットに変わります)
AEロック中は、カメラが勝手に露出を変える事がありません。そのためP、A、Sモードのいずれかで飛行を開始し、場合によっては露出補正で露出を調整した後にAEロックをかければ、後はそのままの露出で撮影を行えます。またもう一度マークをタップすると、ロックは解除されます。
この方法はNDフィルターを併用すれば、中級者や上級者も使用できます。

2.露出の早見表を使うor覚える
こういう撮影シーンの場合は大体このぐらい、という目安があります。
それをメモしておくか、覚えましょう。

シャッター速度1/250、ISO100の場合。

上画像が露出の早見表になります。
シャッター速度1/250、ISO100の場合、上の絞り値を選択すれば、大体良い塩梅になります。例えば晴れの日の屋外で撮影する場合はシャッター速度1/250、F8、ISO100が適正となります。後は表現意図や状況によって、必要であれば少しF値を動かして調整すれば問題ありません。
もちろん動画の場合は1/250のような高速シャッターで撮影することはあまりないと思いますので、ND8フィルターを使用すると、シャッター速度1/30で上の表がそのまま対応します。
また表には「快晴時の海・山・雪景色」がF16とありますがPhantom4Proでも最大F値が11までとなってますため、その場合はNDフィルターで調整する必要があります。

以上2つの方法を使えば、動画撮影を始めたばかりの方でも適正な露出に固定し、映像の途中でチカチカと明るさが変わるのを防げます。
特に1つめのAEロックを使用する方法は、MavicAir2やMavic2Zoom等のF値が2.8固定の機体でも使用できます。
マニュアル露出の操作に手間取っている方は一度、試してみてください。

静岡沼津ドローンスクールでは初心者向けの写真教室も行っており、内容はドローン空撮にも応用ができますので、こちらもぜひお申込みください。

動画撮影のフレームレート設定

NTSC設定では多くのDJI機が24、30、60FPSを選択できる。

動画にあって写真にない概念の1つが、フレームレートです。
フレームレートとは1秒間当たりのフレーム数を示す数値で、FPS(frames per second)と表記されます。
1秒間に30フレームの動画は30FPS、60フレームの動画は60FPSになります。
※厳密には29.97FPS等ありますが、ここでは24、30、60FPSで話を進めます。

データの重さ
当然ながら、秒間当たりのフレーム数が多くなれば、その分データは重くなります。(解像度等が同じ場合)
60FPSは30FPSの2倍フレーム数があるので、単純に考えても同じ時間撮影を行うと2倍のデータ量になることがわかります。また同じ重さにしようとすると、60FPSは30FPSに比べ1フレーム当たり1/2のデータ量しか使えないため、画質が低下します。

映像の見え方
フレームレートが変わると、映像の見え方も変わります。
例えば60FPSは24や30に比べてフレーム数が多いため動きが滑らかになります。スポーツ等、早い動きを細かい所まで描写したい場合はフレームレートの高い方が有利と言えるでしょう。
逆に24FPSは映画で使われるフレームレートです。映像の見え方がシネマチックになりますので、映像作品を作る場合は24FPSも選択肢に入れておくと良いかもしれません。
30FPSは一般的にテレビ等で使用されています。自然な見え方ですので、迷ったらこちらで撮っておくと良いと思います。

シャッター速度
シャッター速度は表現意図によって決定しますが、一般的には1/FPS~1/2FPSの間が良いと言われているようです。
例えば30FPSだったら1/30~1/60、60FPSだったら1/60~1/120という具合です。
あまり高速シャッターで撮影してしまうと、動画がカクカクしてしまいます。(ホントのパラパラ漫画みたいな、パラパラした動画になります)
ただし映画では逆に高速シャッターを演出として使用している例もあります。『プライベート・ライアン』や『28日後…』は高速シャッターの特性を上手く作品中の表現として使っています。

編集する際のフレームレートを先に決めておく
撮影後に編集するフレームレートを先に決めておく事が大事です。
30FPSで撮影したものを24FPSとして編集しようとすると6フレームを差し引かなければならないため、時々コマ飛びしたような画になってしまいます。
またあらかじめ高フレームレートで撮影したものを使用して、スローモーションとして使用することも可能です。
基本的には、編集、書き出しする際のフレームレートと同じ値で撮影するとトラブルが発生しにくいです。

動画撮影にはフレームレートを始め、色々な項目を適切に設定できることも技能の一つとなります。
静岡沼津ドローンスクールではドローン空撮の実習がある他、写真講座にて動画のカリキュラムも開講しています。
無料説明会ではスクール説明の他、現在のドローンに関する法律や利活用についても紹介していますので、是非ご参加ください。

動画撮影のコツその3 ~マニュアル露出を使おう~

上画像は当校の写真教室(カリキュラム3・動画撮影)で使用しているスライドの1ページです。

動画撮影のコツ、3回目はマニュアル露出についてです。
DJI機等に通常搭載されているカメラの多くは自動で映像の明るさ(露出)を決定してくれる機能があります。
「AUTO」や「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」がそれにあたりますが、動画撮影では基本的に「M(マニュアル)」の設定をお勧めします。

マニュアル露出では撮影者自身で明るさの設定を指定します。
そのため撮影中にカメラが勝手に明るさを調整し、映像の明るさが途中で変わってしまうことを防ぐことができます。
※露出を固定する方法は他にもAEロックを使用する方法があります。

なお露出の設定は「シャッター速度」「絞り値」「ISO感度」の数値を指定します。
仮に同じ露出だとしても、これらの数値の違いによって撮影される映像に違いが生じます。
これについて詳しくは当校の写真講座で講義を行っております。

露出を適切に決定するにはヒストグラムを使用する他、カメラのTTL露出計を参考にする方法もあります。この場合はカメラの露出をとるクセのようなものを若干知っておく必要がありますが、(明るい場所と暗い場所のどちらを優先するのか等)数字を見て簡単に決定できるというメリットもあります。TTL露出計は上画像の一番下のM.Mとなっているところ(画像では0.0になっている)に表示されます。この数値がプラスに振れていると明るい、マイナスだと暗いということになります。(あくまでもカメラが算出した”明るい、暗い”ですが)
ちなみにこのM・Mの表示箇所は、マニュアルモード以外では露出補正が表示されています。

今までオートでしか撮影したことが無かった方は、是非次回の撮影ではマニュアル露出に挑戦してみてください。

静岡沼津ドローンスクールのウェブサイトでは、他にもドローンに関するトピックが沢山ありますので、ぜひご覧ください。