鳥と衝突する危険性

有人航空機では比較的低高度を飛行する離着陸時に、エアインテークに鳥が吸い込まれることがあるらしくエンジンの耐久テストではそれに耐えうることを示さなければならないようです。
またキャノピーの風防が多重構造になっている理由の一つとして、鳥との衝突に備えているということもあるそうです。

私達が普段使用している空撮用ドローンにも、鳥との衝突という危険があります。
しかし有人機と違うのは、衝突時の安全対策を機体に行うよりも、衝突回避をより積極的に行うということにあります。

縄張り意識なのか興味本位なのか、飛行中のドローンに対して接近を行う鳥が居ます。筆者の感覚ではトンビやカラスは良く接近してきます。
特に朝方のカラスは非常に攻撃的で、群れで何度も反復して急接近します。

このような鳥との衝突を回避するためには、まず飛行空域を広く見渡せる補助者が有用です。
操縦手は機体を常に目視しているため、常に周囲を広く見渡す余裕はありません。そのため鳥や他機の接近に気付くのが遅れてしまいます。

次に衝突回避の方法ですが、鳥の接近については急上昇で回避します。
鳥は基本的に下降は得意ですが、上昇は苦手です。位置エネルギー(高度差)を利用して速度を上げて獲物を捕らえます。
対してドローンは上昇は得意ですが下降は苦手です。ドローンは下降する際に重力任せでゆっくり落ちる様に高度を下げます。そのため積極的に高度を下げるという動作ができません。また揚力を減らすためにローターの回転数は弱まっており、機体は不安定な状態です。逆に上昇はローターの回転数を上げればその分だけ早く高度を稼ぐことができます。能動的な動きができ、しかもローター回転数が速いため、機体は安定しています。

鳥が接近してきたら急上昇で回避する。時には上昇後に、鳥の進路と逆に機体を動かします。(鳥の上方を抜けるようにします)
反復して接近してくる場合には、鳥の上方で逆進路へ逃げることでそのまま安全な距離まで離れやすくなります。
※この際、高度差が少ないと衝突の危険がありますので注意してください。

このように、ドローンの得意とする動き知り、使用することで少しでも接触リスクを低減させるための手段になり得ます。
静岡沼津ドローンスクールでは、座学と実技の両面から、安全運航についての理解を深め、実践可能なスキルを身に付けて頂きます。

無料説明会も行っておりますので、ぜひお気軽にお申込みください。

第26期スクールが修了致しました

天候が危ぶまれましたが、野外実習は時間いっぱい行う事ができました。

昨日、第26期が無事修了致しました。
今回も6名の受講者様がご卒業されました。

2日目の野外実習は天候が心配でしたが、空撮練習や自動航行等を時間いっぱい行う事ができました。

静岡沼津ドローンスクールでは無料説明会も行っておりますので、ドローンの利活用や関連する法律、資格等についてご興味のある方はお気軽にお申込みください。

NDフィルターの使い方について

MavicAir2用のNDフィルターセット。
画像出典:DJIストア

撮影意図や被写体にもよりますが動画撮影を行う際、30FPSであればシャッター速度はおおよそ1/30~1/60と言われています。

そのため動画撮影においては露出を決定する際にシャッター速度に大きく制限がかかります。
特にPhantomやMavic等の一般的な空撮用ドローンは絞り込むにも限界があります。さらにMavic2ZOOMやAir2等は絞りが固定であるため、そもそも絞りで露出をコントロールすることが不可能です。

そこで使用するのがNDフィルターです。
NDとはNeutral Density(=中立な濃度)の事で、色合いを変えずにカメラに入る光の量を変えるためのフィルターです。※厳密に言えば、色合いにも影響がでているかと思います。

以下の表を見てください。

左側は「晴れの日の野外」でのおおよその露出値になります。①~⑩まで全て同じ明るさです。
30FPSの動画を撮影する場合、最適なシャッター速度を1/30~1/60とすると、この中では⑧か⑨になります。
ここでMavic2Airを使用するとします。するとこの機体はF値が2.8の固定となりますので必然的に選択できる露出値は③のみとなります。つまりシャッター速度は1/2000しか使用できないことになります。⑧や⑨の設定では撮影できません。(F2.8のままシャッターを遅くすると、当然のことながら映像は明るすぎてしまいます)

そこでND64(光の量を1/64にするNDフィルター)を使用します。
すると上表の右にあるように、露出値が6段分暗くなります。サングラスのイメージです。
そして6段暗くなった分をどこかで調整する必要が出てきます。
整理すると現在の状態は

SS1/2000 F2.8 ISO100 6段分暗い

となります。
このままでは暗い画になってしまうので、ここから暗い分、光の量を取り戻します。
現在1/2000のシャッター速度を遅くして取り込む光の量を多くします。
6段分遅くすると1/30になります。
これで

SS1/30 F2.8 ISO100 適正露出

で撮影することができます。 
シャッター速度も露出も適正です。

明るすぎてシャッター速度がどうしても早くなってしまう場合には、NDフィルターに挑戦してみてください。
(Phantom4Proでも最大絞りはF11なので、上の表だとシャッター速度は1/125までしか遅くできません)

静岡沼津ドローンスクールではドローンの安全な運用法に加え、機体に搭載されているカメラの基本的な使用方法も講習します。
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