動画撮影のコツその3 ~マニュアル露出を使おう~

上画像は当校の写真教室(カリキュラム3・動画撮影)で使用しているスライドの1ページです。

動画撮影のコツ、3回目はマニュアル露出についてです。
DJI機等に通常搭載されているカメラの多くは自動で映像の明るさ(露出)を決定してくれる機能があります。
「AUTO」や「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」がそれにあたりますが、動画撮影では基本的に「M(マニュアル)」の設定をお勧めします。

マニュアル露出では撮影者自身で明るさの設定を指定します。
そのため撮影中にカメラが勝手に明るさを調整し、映像の明るさが途中で変わってしまうことを防ぐことができます。
※露出を固定する方法は他にもAEロックを使用する方法があります。

なお露出の設定は「シャッター速度」「絞り値」「ISO感度」の数値を指定します。
仮に同じ露出だとしても、これらの数値の違いによって撮影される映像に違いが生じます。
これについて詳しくは当校の写真講座で講義を行っております。

露出を適切に決定するにはヒストグラムを使用する他、カメラのTTL露出計を参考にする方法もあります。この場合はカメラの露出をとるクセのようなものを若干知っておく必要がありますが、(明るい場所と暗い場所のどちらを優先するのか等)数字を見て簡単に決定できるというメリットもあります。TTL露出計は上画像の一番下のM.Mとなっているところ(画像では0.0になっている)に表示されます。この数値がプラスに振れていると明るい、マイナスだと暗いということになります。(あくまでもカメラが算出した”明るい、暗い”ですが)
ちなみにこのM・Mの表示箇所は、マニュアルモード以外では露出補正が表示されています。

今までオートでしか撮影したことが無かった方は、是非次回の撮影ではマニュアル露出に挑戦してみてください。

静岡沼津ドローンスクールのウェブサイトでは、他にもドローンに関するトピックが沢山ありますので、ぜひご覧ください。

動画撮影のコツその2 ~ジンバルの設定を調整しよう~

静岡沼津ドローンスクール ロゴ JUIDA認定 ドローン資格
画面はPhantom4Proのジンバル詳細設定画面。

今回はジンバル設定について解説致します。
※当校の教習機であるPhantom4Proを例とします。

機体自体を動かして映像を撮る他にも、ジンバル自体を稼働させることによって映像に動きをつけることができます。Phantom4では主にジンバルのピッチ角を動かすことで、画面をチルトすることが可能です。

しかし初期設定のままだとジンバルの動きが早く、また動きもカクつきがちです。
そのためジンバルの設定を上手く設定する必要があります。
以下がPhantom4Proの場合の、ジンバル詳細設定各項目の解説になります。

【ジンバルピッチ速度】
ジンバルが、入力に対してどれくらいの速度で動くか。

【ジンバルピッチを30度まで上げられます】
オンにすると、ジンバルをプラス30度(上向き)までチルト可能になる。

【ジンバルピッチの柔らかさ】
ジンバルを操作した際の、動き始めと終わりの挙動を調節できる。

【ジンバルヨー・シンクロ・フォロー】
オンの状態では、ヨーイング(ラダー操作)をした際にジンバルが左右に動き、急な動きを抑制する。

以上の項目を設定を、最大3つまで設定として保存することができます。風景などを撮影する際にゆっくりとチルトアップ・ダウンする場合は、ジンバルピッチ速度を下げ、ジンバルピッチの柔らかさを上げる(ジンバルの挙動が柔らかくなる)と、自然な動きをしやすいです。

いろいろ試して、お気に入りの設定をさがしてみてください。

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動画撮影のコツその1 ~カットは長めに撮っておこう~

動画編集を考えて撮影をしよう

タイトルの通りなのですが、編集を前提とした動画の撮影をする場合は、カットは長めに撮影をしておくことをお勧めします。
「絶対に使う」と思った部分以外にも、その前後もある程度長めに撮影をし、余白を作っておきましょう。

上画像のように映像編集では各クリップ(カット)を繋ぎながら1本の映像を作りますが、特にBGMにあわせて編集を行う場合、長めに撮影しておいた方が必要な尺に合わせやすいです。単純に、 「このサビの部分はこのカットを使いたい」という場合にサビ部分よりカットが短かったら使えませんよね。
他にもカットの切り替え時に使うエフェクトの関係で、関係するカット素材が長めに必要になることもあります。
また長めに撮影しておけば、他の違う動画にも素材として使える可能性が広がります。

「長めに撮る」に関係することでいうと、ドローン空撮を行う場合、はじめのうちは「気持ちゆっくり」機体を動かすと良い場合が多いです。
これはもちろん個人差やどういった編集を行うかでも変わってきますが、撮影後に映像を確認すると「ちょっとはやいな」と感想を持つ方が多いように感じます。私自身もはじめのうちはそのような経験をしました。

映像を制作するにはもちろん撮影を行わなければいけませんが、撮影後にも編集作業があることを頭の隅においておけば、「せっかく撮ったのにうまく使えない」ことが減るのではないでしょうか。