ドローンのコンパスキャリブレーションがうまく行かない時の対処法

当記事はDJI機の運用を前提としています

この記事では、次のような内容で構成されています。
1.コンパスキャリブレーションとは
2.どういう時に実施するのか
3.うまく行かない原因
4.解決策
5.まとめ

ドローンに関する各種キャリブレーションについては、以下の記事にまとめています。
ドローンの状態を最適に保つ ~ドローンの各種キャリブレーションについて~

1.コンパスキャリブレーションとは

コンパスキャリブレーション(コンパス更正)とは、ドローンの中にある「コンパス」というセンサーを正しく動いてくれるように、調整することです。
コンパスはそのまま方位磁石のイメージです。ドローンが「自分は今どっちに向いているのか」を自分で知るための機能です。
私達も道に迷ったときに方位磁石があれば、最低限自分がどっちを向いているか、わかりますよね。
ドローンはGNSS(GPSとか、そういう類の総称です)で自分の「位置」を知り、コンパスで自分の「向いている方向」を知ります。
このどちらかが正しく機能していないと、うまく飛べなくなってしまう可能性が高くなります。
私達もはじめての土地に出かけた時、googleマップで自分の位置と、向いている方向が分かれば迷わず目的地まで付くことができます。そんなイメージです。

2.どういう時に実施するのか

実際にコンパスキャリブレーションはこんな時に行ってください。

・コンパスエラーが出た時
・その日の一番最初の飛行前に1回
・前回飛行した場所から、おおよそ2km以上離れた場所で飛ばす場合
・機体の調子がおかしいと思った時

例えば、午前中に当校の敷地内で飛行を行い、午後は直線距離で19.5km離れた中伊豆ワイナリーヒルズ(当校の実習場所)で飛行を行う予定があるとします。

その際は、午前中の一番最初の飛行の前に1回、午後に中伊豆ワイナリーヒルズへ到着した後、飛ばす前にもう1回という具合です。

前回キャリブレーションした場所から2km以上離れた場合、
もう一度やり直しましょう。

3.うまく行かない原因

まず、正しいキャリブレーションの方法はDJI社のウェブサイトを読んでください。

DJIストアガイドページ
https://store.dji.com/jp/guides/calibration/

※DJI FLYアプリを使用している機種の場合は、
画面右上の「・・・」からメニューを開いて、「安全」タブからセンサー「コンパス正常」の横にある「キャリブレート」をタップしてください。
機体の回し方はDJI GO4と一緒です。

正しい方法で行ってもコンパスキャリブレーションが正常に終了しない場合、機体が磁気の干渉を受けている事が多いです。
建物に使われている鉄骨やオフィス机、イベントで使用する金属製の足場等、磁気干渉の原因になるものは様々です。
他にもマンホール、金属製のブレスレットや腕時計なんかも、影響する場合があると聞いたことがあります。
ちなみに磁気干渉を受けている状態だと、機体は離陸できません。

4.解決策

磁気干渉を受けているとうまく行かない事が多いので、コンパスキャリブレーションが失敗した場合、位置を少し変えて再校正すると、うまく行く事が多いです。
その際に、近くに磁気干渉の原因となりそうなものがあれば、それから距離を離すと成功する確率が上がります。

後は感覚的な話なので関係ないかもしれませんが、キャリブレーションの際に機体を回す速度を変えるとうまく行くことがある”気”がします。

5.まとめ

・コンパスキャリブレーションは、ドローンが「自分は今どの方向を向いているか」を正しく知れるようにするために行う作業。
・必要な時に、正しく行う。
・上手く行かない場合は磁気干渉の可能性が高いので、少し場所を変えてもう一度やってみる。

静岡沼津ドローンスクールでは、キャリブレーションや事前確認、飛行後点検といった「飛行中」以外の安全管理も学べます。
飛行前にやらなければならない事、しっかりできるようにしておきましょう。