少し前にドローン搭載カメラに関するこんな記事がありました。
ACSLとPhase One、1億画素超高解像度カメラを搭載インフラ点検用ドローン提供開始
写真やカメラを趣味にしている人たちの中では、高画素と言えば真っ先に名前が上がりそうなPhaseOneがでてきました。
PhaseOneは高画素デジタルカメラやデジタルバックを作っているデンマークのメーカーです。
数年前のJapanDrone(JUIDAが主催しているドローンの展示会)でも、PhaseOneが空撮用カメラを展示していたのを覚えています。
今回は空撮を行う上でよく聞く「画素数」(或いは画像解像度)について解説します。
画素とは
「画素数」とは文字の通り「画素」の数です。
カメラの中にあるセンサー(撮像素子)は、細かなピクセル状の「画素」に仕切られています。下の図の色分けされている1つの四角が「1画素」です。
そして四角い「画素」が沢山ならぶようにカメラのセンサーは構成されています。※図では赤緑青の色がついていますが、とりあえずここでは色は無視してください。レンズから入った光が画素の並んだセンサーに当たり、画像が作られます。
この1つの「画素」ですが、1つにつき1色を表現することが可能です。1つずつが1色を表現し、それが何百万、何千万画素と沢山並ぶことによって1枚の画像が表現されます。その総数が「画素数」と呼ばれます。
※実際には総画素数や有効画素数などありますが、ここでは割愛します。
これがPhaseOneの商品などは1億オーバーの数になります。
ここで少し想像力を働かせながら考えてみてください。
仮に同じ大きさの画像として表示する場合、この画素数が大きい場合と小さい場合、それぞれどのように表示されるでしょうか。
画素数が多い程細かく繊細に、少ない程おおざっぱな荒い画になることが想像できるでしょうか。
上画像の右側のリンゴは極端に画素数が少ない例です。そのため1画素が1色を再現しているのが、目で見てわかると思います。私達が普段使用しているカメラは数百万~数千万画素であるため、この1画素(1ピクセル)が四角くみえることはほとんどありません。
つまり同じ大きさで画像を観る場合、画素数が高い方がより細かく写るということになります。
ただしピクセルが認識できないくらいしっかり画素数のある画像も、拡大していくと、だんだんとピクセルが見え始めます。
例えば上の写真ですが、約1300万画素のデータです。
特に「四角い画素が集まっている」という見え方はしませんね。
この写真の中央から少し右上にある、校舎の時計をクローズアップします。
拡大すると、ピクセルが見えてきました。
このようにデジタル写真はピクセル(画素)の集まりで、高画素(画素数が大きい)程細かく細部まで表現可能と言えます。
ただし通常は表示するディスプレイやプリンタの性能限界がありますので、どのような媒体でどのように使用するかによって適切な画像解像度(画素数)を決定します。
例えば、FHDのモニターであれば、1920×1080の画素数、つまり約200万画素ほどしか表現できません。4Kであっても900万画素に届かない程度です。
それでは冒頭で述べたような高画素機はどのような用途で使用するのでしょうか。
例えば産業利用におけるドローン空撮では、壁面のクラック等、数ミリ単位の異常を発見する必要のある場合があります。高画素機を使えば、このような小さなものをしっかりと撮影するために、わざわざドローンを被写体に近づけたりする必要が無くなります。また望遠レンズを使用して撮影するよりも、高解像度のカメラで広く撮影し、あとでその部分だけ拡大して見た方がクラックの位置が分かりやすく、また撮影枚数も少なくて済みます。(低画素で拡大をすると、先ほどの校舎の時計のように画像が荒れます)
写真測量では、より高い位置から撮影し少ない枚数でデータを作成するために高画素機が用いられているようです。
また広告においては大きなサイズでプリントをする場合、引き伸ばす際に高画素の方が画像が荒れにくいという事があります。※ただ多くの場合、大きなプリントは近くから見られることがあまりないため、そこまで解像度が重視されない場合もあります。
このように高画素化に伴う利点は特に「撮った後で拡大しても画像が荒れない」というところが大きく、これは趣味で撮影するユーザーも十分に感じられるかと思います。
高画素化にはもちろんデメリットも存在しますが、それはまた別の記事で解説させていただきたいと思います。
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