前回のブログ記事(望遠パノラマを用いた疑似タイリング撮影のテスト)の3/22追記で、結局タイリング用にホースマンLD(中古)を購入したことをお伝えしました。
この機材は学生時代に借り物で良く使っていたのですが、もうそれから10年以上触っていませんでした。
今回の記事ではホースマンLDの紹介をしようと思います。
こういう写真の撮り方もあるのかと、参考になれば幸いです。
ホースマンLDの概要
ホースマンLDは2005年に発売された一眼レフ用のビューカメラです。
大判カメラのフィルム部分に、変わりに一眼カメラを装着します。(4×5フィルムホルダーも別売パーツを使うと装着できるそうです)
重量は4kgで、ホースマン以外にカメラやレンズ、三脚も必要なので総重量はそれなりになります。
私は最近台車を使ってます。
現在は後継のホースマンaxellaが発売されています。(こちらは重量約3kg)

各部詳細
レンズは中判や大判用のレンズを装着します。
私はフジの大判用(180mm)を使用しています。
タイリング撮影では、大判用の大きなイメージサークルを利用して、レンズ位置を変えずに撮影を行います。
その分レンズ性能が要求されるので、より解像性能の高いレンズを使うと、より良いかもしれません。


後方はフィルムの代わりに一眼カメラを装着します。
私はCanon EOS 6D MarkⅡを使用しています。
ホースマンLDはキヤノンEFマウント用と、ニコンFマウント用の蛇腹があります。
接続は通常のカメラ・レンズと同じくマウントを介して行います。縦位置、横位置といったカメラの角度も360度自由に調整できます。
ホースマンのカッコいいロゴもついています。
ビューカメラなので、フロントとリアでそれぞれシフトやチルトといった動きが可能です。
タイリングの場合は通常、リア側でシフトして撮影します。


蛇腹を伸ばしたり縮めたりしてピントを合わせるのが大判カメラですが、一杯に伸ばせば結構寄れます。
フィルムで撮影する場合はこの蛇腹の長さを測って、露出倍数がどうのこうので露出値に補正をかけていた記憶があります。
デジタルカメラのTTLで測光する場合は、普通にデジカメで撮影するのと同じ塩梅で多分大丈夫です。
機能・タイリングのやり方
大判カメラなのでアオリ撮影ができます。
私がタイリングを行う際も必要に応じて行います。
ほとんどの場合、フロント側を使います。
昔ある部屋の一室をタイリング撮影した際は、どうしても壁面の手前側までピントが来なかったので、一回目の撮影が終わった後に壁面にスイングする形でピントを合わせて二回目を撮影し、一回目のデータと合成しました。

ホースマンLDを用いたタイリングは、リア側(カメラ側)を左上から右下まで段々ずらして行くようにシフトして行きます。
下の画像のように、上下左右でそれぞれ30mmずつカメラ位置を動かすことができます。
現在の組み合わせの場合、縦は10mmずつ、横は15mmずつ、ずらしながら撮影します。


これで撮影した画像をパノラマ合成すると、おおよそ2億画素オーバーのデータが生成されます。
また面白いのは、一枚の画像に異なる時間が混在しているという点です。
動きものがある状況で、この要素を上手く使って撮影すると良い写真が撮れるかもしれません。

レンズは大判用を使用しますが、シャッター動作はデジカメ側で行うのでレンズは撮影前に絞り羽を絞るだけです。
撮影した写真
※ブログ用なのでリサイズしています。
個人的に結構気に入っている一枚です。
高解像度データであることを誰でもアクセスできるウェブ環境で提示するには、どういった方法が一番良いかなと考えたりもしています。
高解像度画像は「視覚の拡張」という写真が元来持つ性質の一つを、より肥大化させたような特性を持ちます。
この特性を用いてどのような表現が可能か、それを模索することが高解像度画像を扱う上での大きなテーマの一つだと思います。

下のように全体カットと一部拡大したカットの二枚をセットで提示するのが、「拡大しても見える」を簡易的かつ分かりやすくみせる事ができるかなと考え、最近はこのような形にしています。



左はどれだけ被写体に寄れるかやってみた写真です。タイリングはしていない一枚撮りです。
被写体のそもそもの大きさが分かり辛いと思いますが、サラセニアという植物の蕾です。
合成後にトリミングしないと右のようにギザギザした画像になります。
これを残すかどうかもなかなか悩むところですが、私は基本的にトリミングしてキレイな四角形にしています。

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