購入するドローンを選ぶ上で重要なスペックとして、カメラの性能が挙げられます。
空撮用のドローンは飛行させる最終的な目的が、より良い映像や写真を得るということになるため、機体性能と同じくらいカメラの性能も重要になります。
さて実際にカメラのスペック表等を見てみると、センサーサイズ、焦点距離、最小(最大)F値、画素数等、いろいろな項目があることが分かります。
これらの数値から、実際に必要な機材を選んでいきます。
今回はこの中の項目の1つである「センサーサイズ」について解説します。
センサーとは、光を受け取る部品
カメラの内部には「センサー(撮像素子)」と呼ばれる部品が存在します。
これはフィルムカメラでいうところのフィルムにあたる部分で、レンズで集めた光をセンサーに当てることで、外の景色を画像として記録します。
センサーサイズとは、そのセンサーの大きさのことです。
センサーサイズの種類
センサー(撮像素子)にはいくつもの大きさがあります。
以下にいくつか並べてみます。
1/2.3 inch 使用機:Mavic2Zoom、Mini2
1/2 inch 使用機:MavicAir2
1 inch 使用機:Phantom4Pro 、Mavic2Pro
MFT 使用機:X5S
super35 使用機:X7
※X5S、X7はINSPIRE2用のカメラです。
機材によっていろいろな規格が使われてます。
そして上に並べたものは、下がっていくほどサイズが大きくなります。
センサーの大きさによって起こる写りの違い
それでは実際に、センサーの大きさ(センサーサイズ)が写りにどのように影響するのかというと、端的に言えばセンサーが大きいほど画質が良くなります。
「画質」という言葉の定義自体が曖昧なのですが、同じ画素数であれば大きなセンサーほど1ピクセル辺りの面積を広く取れるという関係上、ダイナミックレンジや高感度性能の向上などが見込めます。
またRAW撮影を行う際、センサーの大きい方が現像時にデータが破綻しにくく、扱いやすいことも違いに挙げられます。
他に写りの違いとしては、同じ状況で撮影した場合、大きいセンサーの方が被写界深度がより浅くなります。つまり、ピントの合う範囲が狭くなります。
そのため大型のセンサーを使用する場合は、より繊細なピント管理が求められます。特に被写体に接近する時はより深度が浅くなるため、注意が必要です。
ピーキング機能を使用することで、動画撮影の際などは画面でピントを確認できます。これはコントラストの高い部分を色付けして表示することで、ピント範囲の確認を手助けしてくれる機能です。
その他に1/2.3 inchなどの小さなセンサーを搭載した機体の場合、F値が固定である場合が多いです。
こういった機体は動画撮影の際にF値で露出制御を行えないため、こちらも動画を撮影する際はチェックしておく項目として覚えておくと良いでしょう。
最後に「画質」という面で、スタッフが実際に使用した際の感覚的な違いについてお話します。
当校ではPhantom4Proが1 inch、Mavic2ZoomやMavicMiniなどが1/2.3 inchを使用していますが、やはりグラデーションの階調の豊かさ等を見ると、1 inchの方が優れているふうに感じます。
またRAW現像の際にも1 inchの方がデータの伸びが良いように思います。
もちろん新しい機体になれば画像処理エンジンなどソフト面の進化も鑑みる必要があるため、センサーサイズのようなハード的な要因が必ずしも性能に直結するとは限りません。
機体選びの際に気になるものがあったら、一度youtubeや価格コムなどで作例を観てみましょう。
今回はカメラのセンサーサイズについて記事を作りましたが、読んでいただいている皆様にとって有益な情報となれば幸いです。
静岡沼津ドローンスクールでは実技実習の際に野外飛行を行いながら、実際にドローンで空撮を行う際の設定や注意点、機体の扱い方等も練習します。
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