飛行の際はGPSの受信基数に注意しよう。

GPSとはGlobal Positioning Systemの略称で、米国の運用する全地球航法衛星システム(GNSS)となります。同じようなシステムはロシアのGRONASSやEUのガリレオ等があげられます。日本ではGPSを補完する目的で、みちびきというシステムが2018年から現在4基体制で稼働しています。

衛星から送られた原子時計の時間と、受信機の時計の差から、電波が飛んだ時間が分かります。電波の速度は光の速さと同じ約30万Km/sなので、「速さ×時間」で、衛星と受信機までの道のり(距離)が分かります。この作業を複数基の衛星と行う事により、受信機の正確な位置情報を得るという作業が、GNSSの原理の大まかな考え方になります。

一般的にGNSSから正確な情報を得るには、4基以上からの電波を受信しなければならないと言われております。しかしDJI製のドローンに関しては、その多くが7基以上からの受信を必要とします。そのため受信基数が6基以下になると飛行中でも自動的にAモードへと移行します。
「機体が勝手に動いた」「急に機体が流れ出した」という話を時々聞きますが、何らかの影響によりGNSSの受信基数が減り、操縦者の知らない間にPモードからAモードへ切り替わっていたという可能性もあります。

DJIGO4の画面上部には、常に受信基数が表示されている(黄色の〇部分)

当校の実技実習や試験は、一部を除き基本的にAモードで行います。
これは上述したような、不意にPモードが使えない状況に陥っても、その状況を理解し、安全に飛行を行えるようにするためという意味合いも含まれています。また座学ではGNSSをはじめ機体に搭載されている機器への理解を深め、どういった状況が危険となり得るのかを判断できるようになってもらいます。

ドローンにはいろいろな技術が詰め込まれており、そのおかげで誰でも簡単に飛行を行う事が出来ます。しかしその一方で、どのような技術が使用されているかを理解した上で使用しないと、知らない間に危険な状況へ踏み込んでしまったり、緊急時には適切な判断ができません。

静岡沼津ドローンスクールは、無人航空機を安全に運用するための基礎となる知識と技術を身に付けていただくためのスクールです。
ご興味を持たれた方は、ぜひ当校ウェブサイトもご覧ください。

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