撮影のキホンについて

意味もなくISO感度は上げない。基本の1つですね。
※画像はイメージです。

当校では写真講座を定期的に行っておりますが、毎回最初にお話するのが「露出の三要素」のお話です。

「シャッター速度」「絞り値」「ISO感度」の3つを露出の三要素と呼びますが、これらは写真技術を学ぶために必要な知識の根幹であり、光の像を定着させる写真という技術を、私達が操るために最低限理解しておかなければならない要素となります。

三要素それぞれについては、非常に分かりやすく解説をされているウェブサイトが沢山ありますので敢えてこの記事で詳しい解説は行いません。
「こういうものがあるのだな」と知っていただき、必要に応じて知識を深めていただければ幸いだと思っています。
※検索エンジンでそれぞれを検索すれば詳しい情報が沢山出てきます。

露出の三要素をしっかりと理解できていれば、応用を学ぶ際にも理解がし易いことが多いです。
撮影スキルのステップアップをしようと思った時、構図や色合いを考えるのも良いですが、まずは自身が使用している機材の根本的な原理を見直してみるのはいかがでしょうか。

露出の三要素をしっかり理解できていれば、NDフィルターも適切に使用できる。

画像引用)DJIストア https://store.dji.com/jp/product/mavic-2-pro-nd-filters-set?from=search-result-v2&position=3

ホワイトバランスの設定について。

フィルムの場合は、フィルムの種類ごとに色温度やISO感度が決まっている。

例えば、ろうそくの火に照らされた真っ白な紙を想像してみてください。
本来は白い紙が、オレンジ色が被ったようにみえると思います

撮影する状況によって、被写体を照らす光源には違いがあります。白熱電球のようなオレンジ色の光や、曇り空のような少々青っぽい光などです。そして当然、オレンジ色の光で照らされれば、本来白かった被写体もオレンジがかって見えてきます。

この光の色あいを「色温度(K=ケルビン)」という言葉で表すことができ、上の画像のように太陽光をニュートラルとした場合、それぞれの光源は図のように表現できます。数値が小さくなるほど赤っぽく、大きくなるほど青っぽくなります。

人間は、「白は白」と自然に識別することができますが、実際には光源によって被写体は色被りを起こしています。

しかし「できる限り正しい色合いで撮影を行おうとする」場合、白熱電球の光で撮影しようが、曇り空で撮影しようが「白は白」として写し出さなければなりません。

そこで使用するのが「ホワイトバランス」と呼ばれる機能です。
この機能は、どこに色温度のニュートラルを合わせるか、カメラ側で決定することができる機能です。例えば上図の場合、太陽光ならば白は白として写りますが、日陰では青っぽく、白熱電球では赤っぽく写ってしまいます。つまりホワイトバランスは「太陽光」に設定されている状態です。
仮にホワイトバランスを「白熱電球」にした場合、ニュートラルの位置が白熱電球になるため、太陽光で撮影すると青みがかってしまいます。

同じ状況でも、ホワイトバランスを操ることで違った雰囲気を演出できる。

また「白を白」としてとる以外にも、敢えてホワイトバランスをずらすことにより、写真の雰囲気を変えることができます。

例えば太陽光で撮影を行う場合に白熱電球の設定にすれば、出来上がりはその分青みを帯びた画になりますし、逆に日陰に設定すれば、その分赤みを帯びます。

ホワイトバランスを考えるだけでも、表現の幅は広がります。

ホワイトバランスの設定にも「オート」がありますが、個人的にこれはあまりお勧めしません。これは「オートは撮影者の意図した数値を出すとは限らない」ということと同時に、複数枚の画像を同時に処理する際に、それぞれの画像の色温度が違っていると、処理がやりにくいという点があります。(RAW現像前提の場合)
ここはあくまで個人的な感覚ですが

色温度の調整はフィルム時代に比べると手軽に行うことが出来るようになりました。デジタルカメラ(ドローンも)ではホワイトバランスの設定方法を知っているだけで、表現の幅が広がります。
ぜひ、いろいろな設定を試してみてください。